これからの訪問介護って…3

株式会社ゆりかご ホームヘルプ 介護保険制度

ついに、平成21年度スタートです。

今年度もよろしくお願いいたします。

さて、訪問介護におきましても、前ブログなどで書いたように、いろいろと変更があり、報酬改定について、事業所加算について述べてきました。今回は、初回加算、緊急時訪問介護加算について触れてみようと思います。

既に、今年度改定に伴うQ&Aや、サービスコード算定構造などにより、具体的な内容もだいたい理解できるかんじになってきましたね。

改めて、初回加算とは、

利用者が過去二月に、当該指定訪問介護事業所から指定訪問介護の提供を受けていない場合という条件で、
訪問介護計画書を作成した利用者に対して、サービス提供責任者が初回若しくは初回の指定訪問介護を行った日の属する月に、
指定訪問介護を行った際にサービス提供責任者が同行した場合は、1月につき、所定単位数(200単位)を加算します。

サービス提供責任者の労力に対する評価となりました。非常に嬉しいことですよね。
単位数的には、もう少し…という気持ちもありますが、評価されるようになったことは大きいです。
これからは、訪問介護において、この「サービス提供責任者」の役割、技術、知識は相当のものが求められると思います。
ケアマネージャーさんに言われたんで…という事業所、サービス提供責任者では駄目です。
訪問介護のプロですから、当然誰よりも業務に熟知していなくてはなりません。
保険者さんや、ケアマネージャーさんと連携をとる際に、訪問介護の部分においては、サービス提供責任者の知識や技術の無さで利用者の不利益になることがあってはいけないと思います。
自分たちで、何が正しいかをしっかりと見極めて、現場の声をきっちりと関係機関へつなげていく、訪問介護事業所の体質が問われる加算ではないかと感じます。
自分たちも含めて、このような意識、取り組みが数値化できない評価へ結びつくと感じています。

もう一つの加算で、緊急時訪問介護加算とは、

利用者又はそのご家族から要請を受けてから24時間以内に居宅サービス計画に位置づけられていない訪問介護(身体介護が中心のものに限る)を行った場合、1回の要請につき、1回を限度として算定できるとされています。

そして、もう一つ大切なことが、事前にケアマネージャーさんと連携を図り、必要と判断した場合ということ。そして混乱を招きそうな部分として、場合によっては事後報告もケアマネージャーが認めれば加算できるということです。
事前の方は、協議の上で行うことですので、トラブルは起こらないでしょう。
しかし、事後の方は、訪問介護事業所としては、必要と判断したのに、ケアマネージャーが認めないという事例も、当然出てきます。これはいいのです。
ただ、認めない理由が、ケアマネージャーさんによっては、この解釈を誤って読んでしまった場合に、事業所が本来であれば加算できるのにも関らず、加算が認められないというケースも出てくることが予想されます。これは困ります。

「居宅サービス計画に位置づけられていない訪問介護」をどう考えるかです。
ケアプラン第2表に元々、排泄介助、移動介助に関するプランの記述があったとした場合に、ご家族からの要請内容が「ベッドから立ち上がるときに転倒し、動けずに失禁もしている、介助できないので助けてほしい」という緊急要請があり、提供票の予定時間以外に24時間以内に利用者宅へ訪問し、排泄介助、移動介助を行って、ベッドで安静にした、という事例で、
しかも、これが深夜帯でのことで、ケアマネージャーさんと連絡が取れず、事業所の判断でサービスを提供して、翌日、記録などをケアマネージャーさんに提出して、加算の可否について協議した場合、加算はつけるべきか、否か?

記述で位置づけしているので、加算はできないという解釈は、当然違います。
考え方はいろいろでしょうが、要するにサービス提供票に記載の無い時間帯であれば、「居宅サービス計画に位置づけられていない訪問介護」の要件は満たすことになります。
(茨城県長寿福祉課介護保険室のご担当者様にて確認済み)
提供票は、ケアプランを反映して作られるものですから。
指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項についての中にある(16)緊急時訪問介護加算の取り扱い、?の記載に
…日時又は時間帯に身体介護中心型の…の記載があり、記述されていればいい、というわけでなくあくまで予定に無い訪問日時という考え方となるわけです。
でも、これはあくまで、計画に位置づけられていない訪問介護という条件をクリアしたに過ぎませんので、これ以外に、ほんとうに必要か?ということは十分に協議が必要になり、必要ないと判断された場合は、加算できないということもでてきます。
上記の例であれば、すぐ近くに親戚がいて、夜間は、協力体制が整っているなどインフォーマルサービス活用の余地が十分に考えられたようなときは、そちらを優先すべきであるので、加算要件は満たさないなど、必ず緊急対応したから認められる…ではないということです。

もう一つ、上記のサービスなどで、ご本人についてはきれいになって安心したが、床が汚れており、このままというわけにもいかず、床清掃や汚れたシーツ交換など行い、実績として、結果的に「身体○生活○」となってしまった場合はどうなのか?ということです。
これも県に確認したところ、要請に伴うサービスで必要な生活援助を結果的に追加した場合においても、加算が生活援助を行ったから認められないというわけではない、ということ。ただし、想定しづらい状況であるということでした。ここで勘違いしないでほしいのは、あくまで身体介護ありきでの話ですので、生活援助でも緊急時加算を認めてほしいといっているのではなく、身体介護中心型と書いているので、身体介護○のみの対象なのか、サービスコード分類での身体介護が中心で考えた場合は、身体○生活○という部分も含むと考えたので、これも可能性としてはあるか?と疑問に思って確認したものですので、ご留意下さいませ。これは上記のQ&A 問30をご参照いただきたいと思います。

どんどんと複雑な制度になってきました。

これから介護事業に関わる、自分たちも含めた全ての方たちの深い制度理解が求められます。
かかわる利用者様のためにも、情報交換を通じて、正しい制度理解をともに考えていければと改めて思います。

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