時にはお弁当屋さんに変身

株式会社ゆりかご

改めましてゆりかごケアプランセンターの小野です😁

高齢者支援センターから、認知症患っている90代の女性。一人暮らしであるが他者への攻撃的な発言や行動があり、親戚の方も困り果ててる。

介護保険サービスは、ご本人、拒否をして導入が難しいと思うが、今後のことも考え、ケアマネさんとのつながりを持っておきたいと、依頼がありました。

訪問していると困り事がないのになんでこんなに集まってるんだ。
何でも自分でできるし人にやってもらう必要はありません!ときっぱり。
ご本人はそのようにおっしゃいますが、親戚の方が保存期間が長い食料を、定期的に冷蔵庫に入れておいてくださってたり、ゴミを捨ててくれたりサポートしてくれてるんです。

ありがた迷惑!と、やってくださる親戚の方に対しても攻撃的になってしまうことがあり疲労困憊…

介護保険サービスはご本人ご家族の利用同意があってスタートします。
ただアセスメントをしてご本人に判断能力がないと認められた場合、その方の生活の安全を鑑みて家族の同意のもとサービスを提供します。

今回の場合もそのような流れてありましたが、私たち支援者は「招かざる人」になってはいけません。たとえ判断能力がないといえども、嫌だという感情をこじ開けて、支援する事はできません。

そこで、ご本人から「招き入れてくれる人」になるにはどうしたらいいか。

ご親戚の方に本人が嫌がる事。喜んでくれることを伺ったところ、

お金がかかる事は絶対に嫌!騙されるという感情につながる。

おかずを持っていくとそれなりにありがとういう言葉はある。

広報誌はテーブルの上に並べていつも見ている。

とヒントをいただきました。そして思いついたのが「胃袋をつかみ心を寄せてもらおう作戦!」チラシも作りました。

無料と書いてありますが有料です。本人の警戒心に配慮し無料とあえて書きました。

お金の管理は甥っ子さんがしてくれるので、そこは安心です。


法人内にゆりかご亭という食堂もあるので、本人の嗜好に配慮したお弁当を提供することができます。

招き入れてくれる人になる!

なので私は、ひとまず、彼女にとってのお弁当屋さんにになりました!

早速昨日持っていくと、
開口一番「これはタダ?」と。


「長生きされている方に無料で毎日お弁当を届けます。いい時代になりましたね。」と答えると、飛び上がって喜ぶとはこういうことなのかと思うほどお喜びになられ、

「天ぷらじゃないの!天ぷらなんて食べるの久しぶり。いやありがたい。本当にありがとう!」と満面の笑み。

ゆりかごでは、その方の「物語り」を大事にしてます。

本来ならば介護保険制度をしっかり説明し料金の説明もし…ですが、そのことに対して嫌悪感を抱き、他者への攻撃、孤立化となるのであれば、支援する周囲の人と一緒に、その方にとって必要なことを、ご本人が不快な思いをすることなく支援が受けられるよう、ご本人にとって受け入れやすい「物語り」に変換していくことはとても大事なことだと思います。

甥っ子さんにお弁当のお渡し時のエピソードをお伝えすると、

「これまで一生懸命説明をしてきた。忘れちゃうと思っていても、ちゃんと説明することが大事だと思っていた。わかってもらいたかった。けれども、いつも鬼のような顔をされて辛かった。本人にとっては嫌なことだったんだろう。わからずや。頑固もの。認知症。と思って、関わるのが嫌になったけど、これから関わるにあたって、本人の喜ぶ方法を考えてみます」と。

招いてくれる人になり、心を寄せる人になるまで、定期巡回のスタッフと共にお弁当屋さんになります😁

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