第2回茨城県訪問介護員中央研修会が開催されました。

株式会社ゆりかご ホームヘルプ 介護保険制度 その他

(1)茨城県ホームヘルパー協議会と茨城県共催で、第2回茨城県訪問介護員中央研修会が開催された。本日の講義は2本立てで、午前中は株式会社マネジメントセンター代表取締役 松本幸雄氏、午後は株式会社ケアファクトリー代表取締役 能本守康氏。どちらも情熱溢れる講義だった。

(2)午前中はコンプライアンスを主軸において、法令遵守から、それが行われるために事業所のルールをつくり、それを実践するために倫理観を持つ。その具体策まで丁寧にご説明頂いた。我々ホームヘルパーが業務に関わる法令は介護保険法、医師法、個人情報保護法、道路交通法など様々ある。

(3)それらの法令をまず知っておく。これを現場では噛み砕いて伝えていく。改正内容などは随時伝達し、新しい情報を受けられるようアンテナを張っておく。それを現場で実施できるように事業所でのルール、個別での訪問介護計画を立てる。杓子定規のマニュアルなんてなんの意味も持たない。

(4)現場での培われた計画こそが実践に必要である。そのルールに従って動くためには、ヘルパーとしての倫理観が必要。労働環境として、経営理念の理解と実践が大切。書きたい事を書くのではなく、読む人を意識した書き方で作ることが重要である。マニュアルを形骸化させず、活用するのだ。

(5)そして、実施したことを忠実に記録する。これにより、自身の行動を証明でき、事故発生時などの証拠として、自分の身を守ることができる。リスクマネジメントの観点からも記録は重要である。これらを事業所のみんなが当たり前に実施できる体制を作るために、大切なことは、教育である。

(6)仕事の成果とは、能力×情熱×考え方から構成される。情熱と考え方、すなわち取り組む姿勢をしっかりしないことにはいくら技術を持っていても成果は得られない。では、どのようにモチベーションを高めるか?この方向性の教育が重要。プロとアマの違いから自己分析し、プロに近づけることが重要である。

(7)午後は、訪問介護の特性を国民性や「介護」という語源などからユニークに説明。「介護」という言葉が辞書に掲載されたのは、意外と最近。介護行為そのものは昔から行われていた事なのに不思議。外国は家に入る時靴を脱がない。しかし、日本は靴を脱いで、上りかまちを登る。

(8)外と内の差をはっきりとつける国民性から、訪問介護の訪問という部分の難しさがあり、人と人のサービスなので、必ず「相性」がある。どちらの個性が勝ってもいけない。いかに多くの人と合わせることができるか。お宅に溶け込むことができるか、どこでも入れちゃうのがプロフェッショナル。

(9)施設は行くところ、自宅は帰るところ。自分のルールで生活できる在宅にできるだけ長くいられる事を応援するこの仕事に誇りを持ってほしい。ヘルパー2級→介護福祉士→ケアマネという流れは多いが、ケアマネは全く性質の違う資格。介護福祉士の上級資格という位置づけの認識は捨てよう。

(10)マニュアル化できる形式知、経験でしか得られぬ身体知。意外と知らない自分の事。だから自己覚知が大切。理想のヘルパー像を自分で考え、同僚にそれと比較して自分はどうか問うてみよう。そして訪問介護を極めるという強い信念を持つべきである。

(11)今後の利用者像は消費者心理を持ち、費用対効果の視点は今以上にシビアになる。ケアプラン有料化や、経度者への負担割合増加、生活援助の制限など、財源という問題の犠牲に、介護保険がさらされている。このような状況下の中、いま私たちができる事は何か?

(12)とにかく現場の私たちの一生懸命な活動で、利用者が一人でも多くQOLが向上し、自立(人によって様々な形であろう)できる支援に尽力し、きちんと我々の仕事が社会から評価されるように頑張る事が大切。午前、午後ととても情熱みなぎる話を聞くことができた。

(13)共通して言えることはプロ意識を持つ。持てるような教育、環境を作る。訪問介護責任者として、課題は見えている。今後も社会保障審議会介護保険部会の議論に注目し、現場まで様々な情報を共有する体制を作り、いかにプロを育てるか、育つ環境を作れるか、勝敗を握る鍵となるだろう。

(14)以上、第2回茨城県訪問介護中央研修会についての連続ツイートでした。
プロとアマの違い参考URL:http://lifehacking.jp/2008/04/difference-of-pro-and-amatuer/

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